不動産会社向けアフターサポートシステム
きっかけ
地域密着で建売住宅を手がける不動産会社からのご相談でした。
家は、建てて引き渡したら終わりではありません。3ヶ月点検、半年点検、1年点検、3年、5年、10年 ── 引き渡し後も長期にわたってお客様との関係が続きます。さらに、住み始めてからの「ここが気になる」「この設備の使い方がわからない」といった問い合わせも日常的に発生します。
当時、それらすべてをメール、電話、Excelで管理していました。点検スケジュールはExcelの台帳で追い、問い合わせは電話で受けてメモを残し、担当者の割り振りは口頭で調整する。棟数が増えるにつれて、このやり方では回らなくなっていました。
「点検の連絡を忘れていた」「誰がどのお客様を担当しているかわからない」「過去のやり取りが追えない」── 現場がてんてこ舞いになっている状態を、仕組みで解決したいというご依頼でした。
一緒に考えたこと
まず整理したのは、「引き渡し後に何が起きるか」の全体像でした。
点検スケジュールは物件ごとに引き渡し日が異なるため、すべてのタイミングがバラバラです。それを人力でExcel管理していたのだから、漏れが出るのも無理はありません。ここは引き渡し日を起点に、3ヶ月・半年・1年・3年・5年・10年の点検案内を自動で配信する仕組みにすれば解決できます。
もうひとつの課題は、お客様とのやり取りが散らばっていること。電話、メール、時には担当者個人のLINE ── チャネルがバラバラで、「あの件、誰が対応したっけ」が日常的に起きていました。やり取りを一箇所に集約して、誰が見ても状況がわかる状態を作る必要がある。
お客様側の体験も大切です。家を買った人にとって、不具合の連絡や点検の予約に電話をかけるのは地味にハードルが高い。LINEで友達に聞くような気軽さで相談できたら、お客様との関係はもっと良くなるはず。
この3つ ── スケジュール自動化、やり取りの集約、気軽に相談できるチャット ── を軸に設計を組み立てました。
つくったもの
LaravelとLivewireで、引き渡し後のコミュニケーションに必要な機能をまとめたシステムを構築しました。
定期点検の自動スケジュール配信 ── 物件の引き渡し日を登録すると、3ヶ月・半年・1年・3年・5年・10年のタイミングで自動的にお客様へ点検のご案内が届きます。「あの物件、もうすぐ1年点検だ」と誰かが思い出す必要はもうありません。システムが覚えています。
担当者の自動割り振り ── お客様からの問い合わせや点検対応を、ルールに基づいて担当者に自動で割り振ります。「誰が対応するか」を毎回口頭で決める手間がなくなり、対応漏れも防げます。
サポートチャット ── お客様はアプリからLINEのような感覚でメッセージを送れます。不動産会社側はWebの管理画面から対応。やり取りの履歴はすべてシステムに残るので、担当者が変わっても過去の経緯を把握できます。電話やメールのように「言った言わない」が起きない仕組みです。
対応状況の見える化 ── どのお客様にどんな相談が来ていて、誰が対応中で、何が完了しているか。管理画面でチーム全体の状況が一覧できます。朝の朝礼で「今日対応すべきこと」が一目でわかる状態を実現しました。
何が変わったか
一番大きかったのは、担当者の割り振りと相談内容の見える化だと聞いています。
以前は「あの件どうなった?」「誰が受けた?」という確認作業にかなりの時間を使っていたのが、管理画面を見ればすべてわかる状態になった。対応中の案件、完了した案件、まだ手をつけていない案件が一覧で見えるので、チームとしての動き方が変わったとのことでした。
点検案内の自動化も、地味ですが効果が大きかった。Excelの台帳と見比べながら「次の点検はいつだっけ」と確認する作業がなくなり、連絡漏れの心配もなくなりました。
お客様側にとっても、チャットで気軽に相談できるようになったことで、小さな困りごとを早い段階で伝えてもらえるようになった。問題が大きくなる前に対処できるので、結果として顧客満足度の向上にもつながっています。
ふりかえり
住宅のアフターサポートは、華やかな仕事ではありません。新築の引き渡しに比べたら地味な業務です。でも、家を買ったお客様にとっては、むしろ引き渡しの後こそが「この会社を選んで良かったかどうか」を実感するタイミングです。
そのアフターサポートが、メールと電話とExcelで回らなくなっている。そういう「目立たないけど本当に困っている業務」にこそ、システムの力が活きると考えています。
社内の業務がExcelと電話で限界を迎えている。お客様との対応履歴がバラバラで追えない。担当者の割り振りが属人化している。── 同じような状況にお心当たりがあれば、ぜひご相談ください。